バジル(スイートバジル)といえばマルゲリータピザやトマトソースのパスタなどイタリア料理に欠かせないハーブ。タイ料理のガパオライスにもバジルが添えられていますね。
実はものすごく育てやすい作物で、室内水耕栽培入門にもおすすめです。
スイートバジル基本情報
科名 | シソ科 |
始め方 | 種・苗 |
好光性or嫌光性 | 好光性種子 |
種の寿命 | 1年~5年 |
種まきから収穫までの期間 | 1か月半~2か月 |
栽培期間 | 半年以上可能 |
栽培の手順
バジルの水耕栽培に必要なアイテムは以下のとおりです。
- バジルの種or苗
- バーミキュライト
- 種まき用の小さな容器
- つまようじ
- 定植用の容器
種から育てる場合、まずは種まき用の小さな容器で種まきをして、1週間~10日後ぐらいに定植するので、定植用の容器は後から準備してもOKです。
苗から育てる場合は「定植」のところから読んで下さい。
種まき
バーミキュライトは水を含ませてひたひたにしておきます。
種は、小皿に出しておくと使いやすいです。
とても小さな種なので、つまようじの先端にくっつきやすく、扱いやすいです。
つまようじの先端を使って、種をまいていきます。
種がしっかり水に浸かるようにしますが、バジルは好光性種子なので深くは沈めず、浅めに沈めます。
あとは、明るい場所に置き、バーミキュライトが乾かないように水を足しながら管理します。
約1週間でしっかり発芽しています。ちなみに、このとき使用したのは購入から1年以上経過した種です。
根が10cm以上ぐらい伸びていそうなら、定植しましょう。(透明の容器を使っているため、根の様子も見えて便利です。)
種まきの詳しい手順はこちら
定植
今回は、育苗期間を経てから定植しました。「種まき→定植」のほうが工数が少なく楽ですが、育てている作物が多いと「今ある野菜を収穫し終わるまではスペースがない・・・」ということも多々ありまして、そういう場合は小さな容器で使った育苗期間を作って時間稼ぎをし、スペースを空けてから大きな容器に定植するやり方を採用しています。
育苗には、このように小さな容器に、猫よけマット(ダイソーの「どんとキャット」)を入れた装置を使うことが多いです。
根が培養液に浸かっているか、しっかり確認しましょう。
定植から1週間経つと、バジルらしい葉が出てきました。まだまだ小さいですが。
今回の定植には、ダイソーで購入したフタ付きカップを使いました。
スタバのフラペチーノの容器を再利用してもOKです。
ただ、透明カップだと日光が入って藻が生えてしまいますし、かといってせっかくかわいい柄があるのに外からアルミシートなどを巻いてしまうのももったいない。
そこで、二重構造にしてみました。
やり方を説明しますね。
まず、カップの高さに合わせてアルミシートをカットします。幅は、1周できるぐらい。ざっくりでOK。
アルミシートを巻いて、カップの中に入れます。
高さの余分な部分は切ります。
で、アルミシートの内側に、もうひとつカップを重ねます。
そうして、フタ部分を逆さにしてかぶせれば、水耕栽培装置の完成です。
なお、フタ部分のストロー差し込み口を定植穴として使用しますが、先に指で折り曲げておくと使いやすいです。
このままだとフタ部分から日光が入ってしまいますので、こちらにもアルミホイルを巻いたりアルミテープを貼ったりして遮光してください。
今回は、ハイドロカルチャー用の発泡煉石(ハイドロボール)を敷き詰めてみました。
アルミより見た目がおしゃれだし、作物の茎を支えることもできて、なかなかいいです。
その後は、培養液の補充や交換をして管理します。
定植の詳しい手順についてはこちら
培養液の管理についてはこちら
収穫と保存
バジルは必要なときに必要な分だけちょこちょこ収穫して、長期間栽培できます。
が、必要じゃなくても、高さ20cmぐらいになったら、先端を切る「摘芯」をするのがおすすめです。
摘芯をすることで脇芽が伸びて、こんもりとした姿に育っていきます。
室内水耕栽培だと、あんまり草丈が大きくても邪魔だったりバランスが悪かったりするので、高さが出てきたらどんどん切って、脇芽を増やすように育てるのがおすすめですよ。
「剪定したけど今日はバジル使わないんだよな」というときは、ジップロックに入れて冷凍保存しておきましょう。
たくさん貯めて、ジェノベーゼソースを作るのがおすすめです。
また、切った枝を水に挿しておくと簡単に発根して、それを水耕栽培容器に定植すればさらにバジルを増やせます。
栽培も挿し木もめちゃくちゃ簡単に成功するので、増やそうと思えばいくらでも増やせてしまいます。
バジルの長期栽培は「株の更新」をするのがおすすめ
バジルは育てるのが簡単なので、半年以上でも育てられます。
※ただし1年草なので、夏に花が咲くと終わりです。
長期間栽培する場合、気をつけたいのが病気。葉に害虫がついたり、容器内に雑菌が繁殖して根が病気になったり、といった可能性があります。
また、栽培期間が長くなるにつれ根がどんどん大きくなるので、はじめに使っていた容器では窮屈になってきます。かと言って窓辺のスペースには限りがありますよね。
そこでおすすめなのが「株の更新」です。
容器に対して根が大きくなりすぎてきたら、剪定した枝で挿し木をして、挿し木が育ってきたら古い株は葉をすべて収穫してから処分し、挿し木苗を新たに定植します。(このとき、容器はきれいに洗って消毒して使います。使い捨て容器を使用している場合は新しものに取り替えます)
室内で育てている場合、屋外ほど季節感が無いため、夏になっても花も咲かず、株を更新しながらいつまでも育っていたりします。
真冬は寒さでうまく育たなくなることもありますが、育てられる期間が長いのは間違いありません。
おもしろいほどよく育つ作物なので、いろんな容器を試したり、いろんな料理を開拓したりしながらバジル栽培を楽しんでください。