水耕栽培容器に苗をセットする方法。育苗・定植の基本

きほん

水耕栽培では、種まきをしたあと、芽が出て苗が育ってきたら、定植という作業が必要です。

それまでは水道水のみで育ってきた苗が、水耕栽培装置に固定され、水耕栽培用の培養液を栄養にして育っていくことになります。

このページでは、水耕栽培容器に苗をセットする手順について紹介します。

種まき後、育ってきた苗を定植するだけでなく、園芸店等で購入した苗を定植する場合も、方法は同じです。

定植する苗のサイズ感の目安は?

苗を購入する場合は特に気にすることはありませんが、種まきして自分で苗を作る場合、どれぐらいのサイズになれば水耕栽培装置にセットできるのか、知っておかなければなりません。

最小サイズとしては、これぐらいを目安にしてください。

  • 根が5cm以上伸びている
  • 双葉が完全に開き、本葉が出そうになっている

これぐらいの大きさになれば、水耕栽培の培養液を使って大丈夫です。

タイミングが遅くなると、栄養が足りずにうまく育てなくなります。

発芽からは、最短で1週間、冬で成長が遅い場合でも2週間ほど経てば、たいていの作物で定植サイズになっているはずです。
※種まきから発芽までに日数がかかる作物もあるので注意!

苗の準備

まず苗の準備ですが、スポンジに種まきした場合、特に準備はありません。スポンジのまま容器にセットできるので。

バーミキュライトに種まきした場合と、市販の苗を購入した場合は、事前準備が必要です。

苗は、バーミキュライトや土を落とします。

まずはたっぷりの水を注いで、バーミキュライトor土をゆるゆるの状態にしましょう。

ゆるゆるの状態になれば、苗をつまんで、そっと引っ張ると簡単に抜けるはず。

抜けにくい感じがしたら、前後左右に優しく揺すってみたり、バーミキュライトを指でほぐすようにしながら、静かに作業すると抜けます。

無理に引き抜くと根が切れてしまうので気をつけてください。多少切れても大丈夫ですが、慎重に作業するに越したことはありません。

抜いても根にバーミキュライトや土が付着していると思うので、水につけて洗い流してください。流水で洗ってもいいですし、水を溜めた容器などで洗っても。

作物によって根の伸び方も違うため、中には土が落ちにくい根もあります。多少残っている分にはかまいません。

これで、苗の準備ができました。

次に、スポンジの準備です。

スポンジの準備 ※スポンジに種まきした場合は不要

スポンジは、食器用ネットスポンジが使いやすくておすすめですが、基本的にはなんでもいいです。

ネットスポンジは、ネットから取り出して使います。

スポンジを、容器の定植穴のサイズに合わせてカットします。

たとえば2cm四方の穴(ペットボトルの飲み口ぐらい)なら3cm四方ぐらいのサイズにカットします。上記のネットスポンジなら15等分にしてちょうど良いサイズです。

スポンジが穴に対して小さいときっちりはまりませんので、少し大きめに。

逆に、スポンジが大きすぎると穴がぎゅうぎゅうになって、苗の茎や根が押しつぶされてしまうかもしれないので気をつけてください。

スポンジに、苗をはさむための切込みをいれます。

ここに苗を挟んだら、あとは水耕栽培容器にセットするだけです。

培養液の準備

培養液を作るために、肥料を用意しましょう。

培養液には、必ず水耕栽培用の肥料を使用します。一般の土用の肥料とは栄養が異なります。

おすすめは「ハイポニカ」もしくは「微粉ハイポネックス」。

初心者の方には微粉ハイポネックスのほうが、少量から購入できるのでいいかもしれません。

大容量のものを買うなら、どちらでもお好みで。

微粉ハイポネックスは1000倍にうすめて使うので、水1リットルに対して1g入れます。

付属のスプーンで1gと2gが測れますよ。

水耕栽培容器に直接水と肥料を入れてもいいですし、事前に別の容器でシェイクしてから容器に注いでもいいです。

ペットボトルなどフタ付きの容器で作ればシャカシャカ振るだけで培養液が作れます。

一気にたくさん作る場合は2~3リットルのウォータージャグを使うとラク。

水耕栽培容器に苗を定植する

培養液を、水耕栽培容器に入れます。

培養液の量の目安は「根がしっかり浸かるが、根の上のほうは空気に触れるぐらい」です。

容器の形状により培養液をどこまで入れるかも変わってきます。

さて、培養液を入れたr、今度は定植穴に、スポンジの苗をセットします。

これぐらい小さな苗の場合は、容器の下からスポンジをセットするのがおすすめです。上からスポンジを入れると、どうしても根を挟みやすくなってしまうからです。

ただ、市販の苗など、すでに苗が大きい場合は、定植穴を通すことができませんので、その場合は上から入れる(根のほうから入れる)ことになります

苗が大きい場合は根もある程度しっかり伸びているので、多少根を挟んでしまったとしても問題ありません。

これで、定植作業は終わりです。

いきなり定植ではなく「育苗→定植」という方法も

水耕栽培では、種まきをしたあとしばらくは肥料は使わず、苗が育ってきた時点で肥料を使った培養液栽培を開始します。

ただ、苗が小さいうちは培養液の吸収量も少なく、大きな容器を使うのがもったいないとも言えます。

培養液は雑菌が繁殖することを考えると1週間~10日に1回は入れ替えたいですが、ほとんど減っていない大量の培養液を捨てるのはもったいないですよね。

大きな栽培容器は場所もとります。

そこで、はじめから大きな容器に定植するのではなく、小さめの容器に移植し、育苗してしっかり大きな苗になってから定植する、という流れを使うのも、おすすめです。

手間は増えるのですが、育苗の行程を経たほうがより多くの苗を育てることができ、その中から強いものだけ残すことができるというメリットもあります。

土の栽培でも、セルトレイに種まきして、その後ポット上げして育苗、それから畑に定植、という流れで育てる作物は多いですよね。

それと同じことを、水耕栽培でやるイメージです。

わたしは、小さめの容器を育苗用に使うことが多いです。

また、ベビーリーフ栽培と同じやり方で、スポンジにセットした苗をとりあえず「どんとキャット」の上に乗せた簡易的な装置で水耕栽培をして、苗が大きくなったら相応の大きさの容器に定植します。

ベビーリーフ栽培の記事も参考にしてくださいね。

育苗の行程が負担であればはじめから定植すればいいですし、お好みで使い分けてください。

培養液の管理についてはこちら↓

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