当サイト「まどべじ!」は、「窓辺でベジタブル」の略。
つまり室内の窓辺で野菜を育てるのがテーマになっているんですが、室内の窓辺というのは、お庭やベランダの環境とは大きな違いがあります。
本来、室内は植物の栽培には向きません。
それを、人類の叡智(!)でなんとか実現してみせようというのが、「まどべじ!」なのであります。
当サイトは、初心者の方にもわかりやすいようなるべくシンプルな内容を心がけています。
とはいえ、実際には専門的な話も分かっていたほうがやりやすい部分もありますし、応用が効くようにもなります。
このページでは、室内での水耕栽培を成功させるための必要な環境条件について、述べてみます。
他のカテゴリとは違い、やや難しい内容になること、ご了承ください。
当ページの初級編として、「水耕栽培とは?基本を知ればもっと楽しい水耕栽培ライフ」もありますので、そちらもよかったらご覧ください。
植物が育つために必要な条件の6大要素
植物が育つには、以下の6つの要素が適切な状態になっている必要があります。
- 光
- 十分なスペース
- 水
- 栄養
- 空気(風)
- 適切な温度
以上の要素を適切な状態にしようと思えば、さまざまな工夫が必要になります。
各要素について、詳しく説明していきます。
植物には強くてたくさんの光が必要
植物に必要な明るさを表す単位としてはルクス(lx)が使われます。
よく晴れた日、直射日光が当たる場所の照度は10万ルクスほどだそう。
一方、室内で快適に本が読める明るさは、500ルクスほどです。
人間には眩しく感じるような、窓際のレースカーテン越しの光で5,000ルクス程度です。
全然違いますよね。
屋外で育っている野菜は、基本的に数万ルクスの光を浴びています。
ただ、野菜の種類ごとに必要な照度は異なり、レタスは5,000~8,000ルクスほどでも育ちます。
当サイトでも紹介しているレタスや葉物野菜は、比較的低い照度で育てられるものです。
できれば、レースのカーテン越しではなく、日光が直接入ってくる場所で育てるのが理想です。
また、トマト等の果菜類は数万ルクスの照度が必要なため、室内で育てるにはLEDライトの導入が必要になってきます。
十分なスペース(株間)
植物を育てるには、ある程度のスペース(場所)も必要です。
プランター栽培でも「株間○cm」といった表記を見ますよね。
植物ごとに最適な株間があります。
室内だと場所が狭いため、株間を十分に開けられないことがありますが、株間が足りないと、植物がうまく育ちません。
大きく育たず小さめになる、だけならいいのですが、ほかにも問題が……。
株間が足りないと風通しが悪いために病気になったり、距離が近いため虫が繁殖しやすかったりと、問題が多いんです。
たくさん育てたくても、最適な株間をしっかりとることが大切です。
十分な量の新鮮な水
植物を育てるには当然、水が必要ですよね。
水耕栽培では水に浸けっぱなしにするわけですから一見何も問題がないように思えます。
しかし、植物には「新鮮な水」が必要です。
新鮮な水とは、酸素をたっぷり含んでいて、雑菌が繁殖していない水です。
土で栽培する場合は水やりをする際に根の周りの空気が入れ替わり、余分な水は排水されていきます。
水がとどまって雑菌が繁殖することもありません。
しかし水耕栽培では、培養液の補充や交換を適切におこわないと、酸素が不足し、雑菌が繁殖し、植物にダメージを与えることがあるのです。
適切な量の栄養
土を使った栽培では、土自体に肥料を混ぜ込んだり、成長過程で追肥をしたりしますよね。
水耕栽培では、水に専用の肥料を混ぜて、培養液を作り、そこに植物の根を浸けます。
使用する肥料は水耕栽培専用のものを選んでください。
また、栄養が多すぎても植物は育ちません。
肥料の使用量を守るのはもちろんのこと、培養液の濃度が変化していないかチェックすることも大切です。
培養液の濃度は、補充を繰り返すうちに徐々に、濃くなりすぎたり薄くなりすぎたりするんです。
肥料の濃度を測る専用のアイテム「ECメーター」を使って測定して調整するのが確実です。
ただ、そこまでするのは大変だという場合は、1週間に1回は培養液を総入れ替えしましょう。
新鮮な空気(風)
植物が育つには空気も必要です。植物も呼吸していますよね。
培養液が古くなると含まれる酸素が減り、根が酸欠になってしまいます。そのため、培養液は定期的に補充・交換が必要なのです。
室内の場合、空気の動きが少ないため、病気や虫の被害も広がりやすいように思います。
また、室内で育てた植物がひょろひょろになるのは、照度不足が大きいですが、風が少ないからというのもある気がします。
風に吹かれないからどっしり強くなる必要が無いっていうか。
屋外で育つ野菜と同じぐらいしっかりした野菜を育てるには、しっかり光を当てることと、風を当てることも必要なのではないかと考えています。
適切な温度
もちろん、適切な温度も必要です。
植物にはそれぞれ、栽培に適した季節があります。
室内の場合、1年を通してエアコンを使用している家庭も多いですよね。
人間にとって快適な温度は植物にとっても快適であることが多いです。
ただ、栽培カレンダーを大きく外れた時期の栽培だと、うまくいかないことも多いです。
また真夏は、外出中に室内の温度が40度以上に上がることもあります。
日中エアコンをつけていなくても温度が上がりにくい場所を探しましょう。
まとめ
室内で水耕栽培をするには、6つの要素に配慮して、さまざまな工夫をする必要があります。
光、十分なスペース、水、栄養、空気(風)、適切な温度に気をつけて、室内の環境を整えてあげましょう。