ミニトマトといえば小学生も育てる定番夏野菜ですが、意外と奥が深く、家庭菜園好きの人でもそれぞれこだわりの育て方や好きな品種があると思います。
トマトは日光大好きな夏野菜なので室内での栽培は難しいのですが、我が家では成功しています。
おすすめは、省スペースで栽培できる矮性品種。草丈20cm程度とものすごくコンパクトに育ちます。
ただ、やはりある程度の照度が必要なので、LEDライトがなく、「明るくてもせいぜいレースのカーテン越しの光」という環境だと、厳しいかもしれません。わたしはLEDライトを使用しています。
また、ここでは『レジナ』という品種を栽培していますが、ほかにも矮性ミニトマトの品種はあるので、いろいろ試してみるのもおもしろいかもしれません。
ミニトマトの基本情報
科名 | ナス科 |
始め方 | 種・苗 |
好光性or嫌光性 | 嫌光性種子 |
種の寿命 | 7年(長命種子) |
種まきから収穫までの期間 | 2か月半~3か月 |
栽培期間 | 4~5か月 |
栽培の手順
ミニトマト『レジナ』の水耕栽培に必要なアイテムは以下のとおりです。
- 『レジナ』の種or苗
- バーミキュライト
- 種まき用の小さな容器
- つまようじ
- 定植用の容器
種から育てる場合、まずは種まき用の小さな容器で種まきをして、1週間~10日後ぐらいに定植するので、定植用の容器は後から準備してもOKです。
苗から育てる場合は「定植」のところから読んで下さい。
種まき
バーミキュライトは水をひたひたになるぐらいに濡らしておきます。
こんなふうに、つまようじの先端に種をつけて、バーミキュライトにまいていきます。
トマトをはじめナス科の植物は嫌光性種子なので、少し深めに沈めてください。
置き場所も、明るい窓辺より、薄暗い場所のほうがいいのかもしれません。
1週間ほどで発芽しました。
定植
普段は「種まき→定植」のパターンが多いのですが、果菜類は何株もたくさん育てることがないので、途中で「育苗」の行程を経て、元気な苗を見極めるのがおすすめです。
この中でどれかひとつを選ぶのは難しいけれど、かと言っていつまでも肥料の無い環境で育てるのも問題がありそう。そのため、いったん「育苗」に移ります。
定植に使うような大きな容器ではなく、小さな使い捨て容器を使っていったんスポンジに挟み、培養液栽培に移行します。
育苗移行から1週間ほどで、ずいぶん大きくなりました。
成長の差が出てきたので、1番強そうなものを定植します。
根もしっかり伸びています。なお、育苗期間を長くとりすぎると根が絡まって作業しにくくなるので気をつけてください。
定植しました。この段階ではまだ容器が大きく見えますが、いくら矮性品種とはいえトマトはトマト。今後の成長を考えるとちょうどいい大きさのはず。
培養液の補充・交換をしながら成長を見守る
定植後は、培養液の補充・交換をおこないながら管理します。
定植して10日後の様子。
さらに10日後。蕾が現れました。
開花。
第1花は、指ではじいて人工授粉してみました。第2花以降もはじめのうちは気がついたときに指ではじいておきました。(トマトは、第1花を確実に受粉させることが重要だと言われています)
実ができてきました。
とってもコンパクトなのに、恐ろしいほど花が咲いて実が付きます。人工授粉などしなくても勝手に増えていきます。
そして、見てくださいこの根元。ちょっと気持ち悪いぐらいです。ラピュタみたいです。
あと、実がたくさんついて重たくなったので、倒れるようになりました。ここが水耕栽培の難点ですね。土と違って根が固定されていないので、地上部が重たいと倒れてしまう。定植穴に追加でスポンジを突っ込むことで固定し直しました。
収穫と保存
大量に実がなりました!種まきから82日目です。
いよいよ収穫してみます。
家庭菜園の醍醐味は、完熟してから収穫できること。ギリギリまでこらえて収穫しました。
真っ赤できれいです。
でも実はレジナは「観賞用」の品種で、「食べることもできます」という感じでなんですよね。おいしさは追求されていないということです。
なので食べるまでは少し不安でしたが、「イマイチならトマトソースにでもすればいいだろう」と気軽に栽培を始めました。
が、食べてみるとおいしい!けっこう甘い!ネットでは「酸っぱい」「昔のトマトの味」という感想も目にしましたが、我が家のレジナは甘くておいしいです。これはうれしい誤算です。
子どももミニトマトが好きなので、これだけ大量に収穫できるとホクホクした気持ちになります。
次々に開花した花が実をつけ、次々に収穫しました。約1か月間で27個収穫しました。
屋外で育てていたミニトマト「アイコ」は47個だったので数では負けていますが、矮性品種でこの収穫数は素晴らしいです。
なお、猛暑が落ち着いたころ、また花が咲き始めました。
まだまだ収穫は続きそうです。
トマトが赤くなるにはある程度の温度が必要なのでさすがにペースは落ちてくると思いますが、これまでも別のミニトマトでも12月ごろまで収穫できていたので、レジナもどれぐらい収穫できるか楽しみです。
ミニトマトは完熟するまで待ってから収穫するのがおすすめですが、食べるペースが追いつかない場合は、セミドライトマトにしたり、トマトソースにするのがおすすめです。
忙しい場合は、ヘタだけとってジップロックにいれ、とりあえず冷凍しておけばあとからトマトソースが作れます。
作物別のページはいずれも栽培終了後に書いているのですが、レジナはいっこうに終わる気配が無いため、栽培途中ではありますが執筆いたしました。
栽培終了した際には、栽培期間を追記できたらと思っています。
果菜類は草丈が大きくなるので室内での栽培は基本的には難しいのですが、こういう矮性品種であれば十分栽培できます。
できればLEDライトはあったほうが良いですし、トマトを育てるだけであればスタンドタイプの小さな植物育成ライトで事足りるので、ミニトマト好きの方は導入を検討してみても良いかと思います。
ちなみに、スペースの問題さえクリアすれば普通のミニトマトでも栽培は可能です。少しでもスペースを節約するなら行灯仕立て(支柱にぐるぐる巻き付けていくスタイル)にすると栽培しやすいかと思います。
まあそれでも、両方実践したわたしとしては、レジナが断然素晴らしいです。ぜひ、多くの方に試してもらいたいと思います。