室内水耕栽培ではさまざまな野菜やハーブを育てることができます。
でも、中には栽培が難しいものもあるんですよね。
室内で育てるのが難しい作物といえば、なんと言っても『果菜類』です。
果菜類とは、トマトやきゅうりのように「実」を収穫するタイプの作物。
ワイルドストロベリーのように室内でも育てやすい果菜類もありますが、ほとんどの果菜類は難しいです。
このページでは、室内水耕栽培で果菜類を育てる方法について解説します。
光があれば室内でも果菜類は育つ
果菜類が室内で育ちにくい理由は、光の量です。
たとえばトマトやきゅうり、なすなどの夏野菜は、かなりの照度を必要としています。
快晴時、屋外の照度は10万ルクス程度なのに対して、室内では窓際のもっとも明るい場所でも、せいぜい2~3万ルクスです。
夏野菜にとっては物足りない光なんですね。
ただ、サンルームのように、室内でも屋外並の光が差し込む部屋があれば、果菜類を育てることは可能です。
もしくは、人工的に明るくする=LEDライトをつける、という方法もあります。
我が家では白色LEDを使用していますが、「植物育成ライト」として販売されているライトもあります。
植物育成ライトには色や形状、サイズなどいろんな種類があるので、育てる作物の大きさに応じて選びましょう。
スペースが確保できれば果菜類でも育てられる
果菜類を育てるときに問題となるのが、大きさです。
夏野菜を育てたことがある人ならご存じかと思いますが、果菜類って、2mぐらいの高さになることもありますよね。
摘心して高さを抑制するにしても1mは超えます。
そのため、やはりサンルームのような明るくて広いスペースが必要です。
LEDライトを使用するにしても、高い位置に設置するなど、工夫すれば一応育てることはできますね。
また、はじめからコンパクトに育つ品種を選ぶのもおすすめです。
我が家で育てる果菜類は「レジナトマト」や「ミニキュウリ」などの矮性種です。
コンパクトな品種を選べば、レタスなどほかの作物と並べて管理しやすいですよ。
株自体の重みを支えることができれば水耕栽培できる
果菜類だと、水耕栽培自体が難しいという問題もあります。
なぜなら、株自体が重いからです。
トマトなど実がなる作物は、実の重さがけっこうあるんですよね。
土であればしっかりと株を支えることができますが、水耕栽培の場合はスポンジなどで根元の固定をしているだけ。
株が重くなってくると、支えきれずに沈みこんでしまいます。
対策としては、ひとつは「あきらめる」(笑)。
根っこもしっかりしているので、なすがまま沈めておいても問題ないです。
もうひとつの対策としては、支柱を設置して茎を支える。
我が家ではワイヤーバスケットを支柱代わりに使用しています。
きゅうりは支柱に固定していくので沈むことはありません。
トマト等も、茎を支柱にくくりつけて固定すれば、株自体が重みで沈むことは防げます。
素直に屋外で育てるほうがラク
このように、果菜類は以下の点を工夫すれば室内水耕栽培でも育てられます。
- 屋外並の明るさを確保する
- 育てる場所を確保するor小さい品種にする
- 重みで沈まないよう固定する
ただ、特にスペースの問題や明るさの問題は重要なので、素直に屋外で育てるほうがラクではあります。
ラクだし、収穫量も屋外のほうが多いです。
室内では、そこまで明るさがなくても育てやすい葉物野菜やハーブ類を中心に育てるのがおすすめですよ。
屋外水耕栽培をするときは
屋外で育てる場合、土に植える方法と、屋外で水耕栽培にする方法があります。
屋外水耕栽培で気をつけたいのが、温度管理です。
水耕栽培では土ではなく培養液を使用するので温度変化に弱いです。
真夏は培養液の温度が上がりすぎて根腐れしますし、真冬は培養液が凍ってしまうおそれもあります。
そこで、屋外水耕栽培をする場合には、温度が上がらない工夫をしましょう。
簡単なのは、発泡スチロール製の容器を使用すること。
発泡スチロール容器であれば温度変化に強いので、培養液の温度変化を最小限に抑えられます。
もしくは、エアポンプなどを使って、水を循環させる方法もあります。こちらはさらに器具や知識も必要になるのですが、興味がある方は調べてみてください。
おすすめは『ベランダゴーヤ研究所』さんです。
まとめ
室内水耕栽培では、果菜類を育てるのはちょっと難しいです。
『まどべじ!』としましては、以下の方法をおすすめしています。
- 矮性品種を選ぶ
- LEDライトを使用する
- 重みで沈んでも気にしないor支柱にくくりつけて固定する
一方で、収穫量を追求したい・矮性種ではなく普通の品種を育てたいという人は、普通に屋外で育てたほうがいいんじゃないかなと思っています。
矮性種を室内水耕栽培で育てるなら、こういうキットを使うのがもっともお手軽で簡単ですよ。