初めての水耕栽培で、とにかく手軽に、簡単にできるのが、ベビーリーフ栽培です。
ベビーリーフとは、レタスや水菜などの葉物野菜を、小さいうちに収穫して食べるもの。
小さいうちに収穫するということはそれだけ栽培期間が短いということ。栽培期間が短いということは、管理がかんたんということで、初心者の方にもおすすめなんです。
このページでは、まったく初めて水耕栽培に挑戦される方のために、必要アイテムの揃え方から丁寧に、わかりやすく紹介します。
なお、栽培期間は3週間~4週間。冬は遅く、夏は早いです。
写真たっぷりの長い記事なので、以下の目次を活用して、必要な情報にすばやくアクセスしてくださいね。
ベビーリーフ栽培のために用意するアイテム
ベビーリーフ栽培に必要なアイテム一覧がこちら。
- プラスチック容器
- 食器用スポンジ
- 猫よけマット
- ベビーリーフの種
- 水耕栽培用の肥料
- つまようじorピンセット
- カッターナイフとハサミ
以下から詳しく説明します。
プラスチック容器
プラスチック容器は、10cm四方ぐらいの大きさで、深さが5cm以上あるものを使います。
わたしのおすすめは、「とうふそうめん」の容器。コンビニ各社で売っていて、大きさはどれも同じです。
味噌が入っている容器、プチトマトが入っている深型の容器なども良いです。
100円ショップなどで売っているプラスチック容器、食品用保存容器などを使ってもOKです。
食品が入っていたプラスチック容器を再利用するのは、新しいプラスチック容器を買うよりもエコな感じがしますね。
もし、エコに配慮しつつ新たな容器を購入したいのであれば、ガラス製の食品保存容器がいいかもしれません。長く使えるし、熱湯消毒やアルコール消毒もしやすく衛生的に使えます。
食器用スポンジ
わたしのおすすめは、食器用ネットスポンジです。表面のネットは取り除いて、中だけ使います。
色は、明るい色がおすすめ。少しでも光を反射させて光の量を増やしたいからです。
スポンジは土の代わりなので、小さすぎると栽培スペースが小さくなってしまいます。
お風呂用の大きなスポンジを用意しても良いかもしれません。
ドラッグストア、100円ショップ、ホームセンターなどで手に入ります。
猫よけマット
猫よけマットとは、こういう、プラスチック製のネット状の商品。猫が来てほしくない場所に敷いておくみたいですね。
これを、逆さにして、「すのこ」的な感じで使います。ハサミで簡単に切れます。
いろんなタイプの商品が売っていますが、わたしはダイソーで売っている「どんとキャット」が一番使いやすくて気に入っています。
ベビーリーフの種
ベビーリーフの種は、園芸店やホームセンターの園芸売り場などで購入できます。ダイソーでも売っていることがあります。
ベビーリーフは葉物野菜を小さいうちに収穫して食べるものなので、レタスや小松菜、水菜など、お好みの葉物野菜の種を使ってもかまいません。
余っている種があれば、それらをミックスして使うのもOKです。
水耕栽培用の肥料
水耕栽培用の肥料は、土に使う普通の肥料とは成分が違います。
ちなみに、普通の肥料を水耕栽培に使うのはおすすめしませんが、水耕栽培用の肥料は普通の肥料としても使えます。
もし余ってしまっても、プランターなどの植物に使うことができますし、そもそも有効期限などもなく長く使えるものですので、ぜひ揃えてみましょう。
水耕栽培用の肥料としては「ハイポニカ」と「微粉ハイポネックス」が定番です。
「ハイポニカ」は液体肥料で、A液とB液を混ぜ合わせて使います。こちらを使っている人のほうが多いイメージがありますが、大容量(500mlサイズ)なので、初心者の方にはちょっと荷が重いかも。
「微粉ハイポネックス」は粉末の肥料で、少量(100g)でも売っているので、初心者の方がとりあえず買うとしたらこちらがいいかな、と思います。出費も抑えられますしね。
このページでは、微粉ハイポネックスを使って説明しています。
つまようじorピンセット
種をまくのに、あると便利なのがつまようじかピンセットです。わたしはつまようじを使っています。
どちらも、100円ショップやホームセンター、ドラッグストアなどで手に入ります。
カッターナイフとハサミ
特に解説不要かと思いますが……。アイテムの加工などに使うので、準備しておきましょう。
↓水耕栽培に必要なアイテムはこちらでも紹介しています!
ベビーリーフ栽培の手順【1】容器の準備から種まき
それでは、ベビーリーフ栽培を始めましょう!
必要なアイテムを揃えてから作業を始めるとスムーズですよ。
また、作業前には手を洗うか、使い捨て手袋をして、衛生管理に気を付けましょう。
スポンジを容器サイズに切り、種まき用の切込みを入れる
まず、スポンジを、容器のサイズに切ります。なるべく隙間が少なくなるように切ってください。スポンジは土代わりなので広いほうが栽培しやすいですし、隙間が少ないほうが管理しやすいので。
一般的なサイズのネットスポンジは、半分に切るとわたしが愛用している「とうふそうめん」の容器にぴったり。サイズを測る手間がなくラクチンです。
片面には、種をまくための切込みを入れます。深さは3~5mm程度。カッターナイフでスーッと引けばきれいに切込みが入ります。
1.5cm~2cm程度の格子状に切込みを入れます。
猫よけマットを容器サイズに切る
次に、猫よけマットを容器サイズに切ります。
「どんとキャット」はハサミで簡単に切れます。
スポンジにしっかり吸水させる
スポンジを水で濡らします。しっかり押して、水を吸収させてください。
その状態で、容器にセットします。
種をまく
種は、一度小皿などに必要分を出してから使うほうが作業しやすいです。
このサイズのスポンジだと、9粒まくぐらいがちょうど良いです。
つまようじの先端を濡らすと、種がくっつきます。
指で種を置くより、つまようじやピンセットで作業するほうが、置きたい場所に正確に置けます。
つまようじの先端で、種を切込みに埋めます。深く埋めると芽が出にくくなるので、ごく浅くで大丈夫です。
窓辺に置く
種まきが終わったら、スポンジがひたひたになるぐらいまで水を入れ、窓辺に置きます。
部屋が乾燥しているときは、ラップをかけるなどして保湿してください。
これで、種まきは完了です!
ベビーリーフ栽培の手順【2】日々の管理
種まきが終わったら、あとは日々の管理を続けるだけです。収穫までの日々の管理を説明します。
芽が出るまではこまめに水やり
種まき直後に水をひたひたまで入れても、蒸発したり、種が水分を吸ったりして水は減ります。
芽が出るまでは、スポンジの表面が乾くことがないように、毎日チェックしてこまめに水を足してください。
霧吹きがあれば、霧吹きで水を足すのでもOKです。
早ければ1日で、遅ければ1週間ほどで、芽が出てきます。
芽が出たあとはスポンジの下が浸かる程度に水やり
芽が出揃ったら、スポンジをひたひたにする必要はなく、むしろスポンジは乾かし気味にしていきます。
スポンジをずっと濡らしておくと、カビが生えたり、雑菌が繁殖したりすることも。ある程度芽が出揃ったら水を足すのはストップして、自然に水が減り、スポンジが乾いていくようにします。
スポンジの下から根が伸びてきたら、スポンジをひたひたにしておく必要はありません。根が浸かっていればそれでOKです。
なお、まいた種がすべて発芽するとは限りません。ひとつふたつ発芽しなくても問題ありません。発芽率があまりにも低い場合は、種まきからやり直したほうがいいかもしれません。古い種を使った場合は発芽率がかなり下がっていることもあるので、種を買い替えたほうがいいでしょう。
根が伸びてきたら培養液を入れる
根が、スポンジの下から伸びてきます。根が伸びてきたら、スポンジが水に浸かっている必要はないので、スポンジの少し下ぐらいの水位で管理します。
また、ここからは、水ではなく、肥料を溶かした「培養液」を使います。
微粉ハイポネックスの場合は、水1Lに対して肥料1gです。
ECメーターをお持ちの場合は栽培容器に直接肥料を入れて管理しても良いのですが、初心者の方は、ECメーターは持ってないでしょうし、0.1mgを正確に測るのも難しいですよね。
初心者の方は、ペットボトルなどの容器を使って培養液を作り、それを栽培容器に注ぐ、という手順にしましょう。
微粉ハイポネックスの付属のスプーンで1gが測れるので、その約半分を、500mlの水に溶かしてください。
培養液は冷蔵庫で保管しておきます。
なお、微粉ハイポネックスは完全に溶けきることがないと思いますが、特に問題ないのでそのまま使ってください(使用しているうちに徐々に溶けだしていくそうです)。
培養液を補充しながら育てる
水位は、常にスポンジ下ぐらいになるように、培養液を随時補充してください。
はじめのうちは数日に1回の補充でいいと思いますが、ベビーリーフが成長してくると培養液の吸収量が多くなるため、こまめな補充が必要になってきます。
1日1回補充しても翌朝には枯渇しそう……ぐらいにまでなったら、スポンジが濡れちゃってもいいので、多めに補充しておきましょう。
吸収の速度が早ければ、スポンジが濡れてもすぐ乾きますし、また、収穫までまもなくなので、多少カビが生えたりしても問題ありません。
ベビーリーフ栽培の手順【3】収穫と保存
いよいよ収穫です!
草丈10cmぐらいになったら収穫
ベビーリーフの収獲のタイミングですが、草丈が10cmぐらいになれば、収穫できます。ベビーリーフとしては、10~15cm程度が食べごろです。
小さな容器で密集して育てているので、10cmぐらいの時点で成長が鈍化してくるかと思います。
もう少し大きく育てたい場合は、容器のサイズを大きくして、種まきの間隔を広めにすると良いですよ。
収獲は、ハサミを使っておこないます。
プランター栽培などでは「成長点を残して収穫すれば、1~2週間後にはまた成長して繰り返し収穫できる」と言われますが、今回はすべて収穫してください。
長期間栽培する際には衛生面など、もう少しいろいろ手間をかける必要があります。今回は「なるべく手間なく簡単に」というところい重点を置いていますので、一気に収穫しちゃいましょう。
使用後の容器等について
使用後の容器と猫よけマットについて。
猫よけマットは、絡んだ根っこを取り除き、しっかり洗って干しておけば、また使えます。
容器も、基本的には洗って干しておけばまた使えます。ただし、今回のようにリサイクル容器を使った場合は、1回限りで処分したほうが良いでしょう。
こういう食品の容器は繰り返し・長期間使うことは想定されていないので、穴があいたり、雑菌が繁殖しやすくなったりする恐れがあります。
すぐ食べない場合の保存方法
収穫したベビーリーフは、洗ってその日のサラダに食べるのが一番!
ですが、すぐ食べない場合は、ビニール袋や保存容器に入れて保存しておきましょう。
長持ちさせたいなら、キッチンペーパーでつつんでおくのがおすすめ。
容器にキッチンぺーパーを敷き、洗って水のついたベビーリーフをそのまま入れ、上からもキッチンペーパーをかぶせておくと完璧です。
わたしは葉物野菜の保存はこの方法でおこなっていますが、2週間ぐらいもちます。
ベビーリーフを栽培してみよう!
ベビーリーフを水耕栽培で育てる方法を詳しく紹介しました。
今回使用したサイズだと、1人分ぐらいのサラダの量となります。
種まきから3週間ほどは成長スピードもゆっくりですが、3週間を過ぎたあたりから急に大きくなります。
水耕栽培用の肥料さえ入手すれば、あとは手に入りやすいものや自宅にあるもので挑戦できるので、気軽に試してみてくださいね。